クリークチャブ・サーフェスディンバット

CREEK CHUB ”SURFACE DINGBAT“
45mm・5/8oz

クリークチャブのサーフェスディンバット(Surface Dingbat)

あちこちに割れや欠けがあって、下アゴあたりはワームバーンのせいか塗装が溶けているし、リアフックはトリプルに交換されていて、チャームポイントのフェザーもちぎれて無残な姿になっている。

それでも、アクションについては当時とほぼ変わらないだろうから、それが確かめられればいいやと思って手に入れた。

そのなかで、しっかりと原型を留めているものがあってうれしかった。
グラスアイだ。

オールドプラグのグラスアイ(三層アイ)はしびれる。
そこに、彼らの見てきた時代が映り込んでいるかのようで・・・みたいなロマンもあるけれど、まず、シンプルにとても品質が高い。

生き生きとして、生命感あふれるその表情。
いま、日本のウッドプラグに使われている3層アイは、グラスアイと呼ばれてはいるがほとんどが樹脂製だ。
一方でこちらは、その名の通りガラスで作られていて、その違いを、透明度や奥行きから感じることができる。

白目の輪郭がはっきりして、瞳に存在感がある。
表面のつるっとした質感が、生き物らしいみずみずしさをたたえている。
ひとつひとつにばらつきがあるのも面白い。

こうした古いウッドプラグのグラスアイには、人形作りが盛んなドイツ製のものが使われていたという話も聞いたことがある。
メーカーや年代によって違いもあり、それぞれ味わいがあるが、僕はクリークチャブのものの品質が高いように思えるし、やや小さめサイズで見た目も好き。

個体差があって効率が悪いし、ぶつけたら割れるし、釣果には関係がないから、時代とともにこの目玉が失われてしまったのは必然だろう。
ただ、「ルアーの目玉にグラスアイを入れてみよう」と思いついた人がいて、「ルアーの目玉はグラスアイでなければ」と疑いなく考えていた時代はたしかにあったのだ。

最後にアクションのことも書いておくと。
これは、やせがまん系、のプラグで、45度の角度で浮き、テーブルターンを繰り返すけれど、単調ですぐ飽きてしまう。
見た目通りの動き。

かの地ではどのように使われていたのだろうか。
ダブルフックにフェザーの足。カエルをイメージしてウィードの一帯をぴちゃぴちゃ、ひょこひょこさせて使っていたのかもしれない。

(”something about TopWaterPlug”2005年2月15日の掲載記事を加筆修正)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です