Whopper Stopper ” Scrambler”
140mm・1oz
突如まきおこったホッパーストッパー旋風。
(正確にはバネバネブーム。スローバー参照)
次なるターゲットはこれだ!!!

これもスローバーと同じように、オモリのついたバネが内蔵されている。
かなり堂々とした大きさ。
ぼくの知る限りこのプラグは2サイズあって、これはもちろんでかいほう。
まずこのカラー。
目の周りにメタリックブルーが吹いてあるだけのシンプルなものだけれど、クリアボディーと相性抜群で、とてもかっこいい。
黄色い目玉とのコントラストも美しい。
ペラはオーソドックスな直ペラが付いている。
このボディの迫力に比べて、ちょっと存在感が薄い。
フックはカドミウム製で、スプリットリングがごつい。
いや、そんなことより、スプリングウエイトの効果はいかほどのものか、検証するのだ。
いざキャスト。
タンタンと、ラインスラックをはたいてみる。
おっ!
豪快な首振りアクション。
ペラの出す音と泡が、賑やかさに拍車をかける。
さあ、ここでポーズ。
バネオモリの効果で、プラグから微妙な波紋が
・・・・・・・・・・出ない!
じつはこのスクランブラー、スローバーに比べて倍くらいのボリュームがあるにもかかわらず、搭載しているバネバネ機構は同じなのだ。
机なんかにポイと転がしても、スローバーはしばらくヒクヒクと痙攣しているのだけれど、こいつはよ~く目を凝らしてやっとかすかな揺れが確認できる程度。
そうなると疑問が浮かんでくる。
本気でストップ後の波紋を出したいのなら、それで魚を誘い出そうと考えるなら、ちゃんとプラグのサイズに合わせてバネの長さやオモリの大きさを変えるんじゃないのか。
少なくともこのプラグにとってバネシステムは、おまじない的な存在だったんじゃないか。
いや、もうすこし謙虚に可能性を考えてみよう。
もしかすると、昔のアメリカのバス狂いたちは、たったこれだけの震えがアングラーに天国と地獄ほどの差をもたらすことを、知っていたのかもしれない・・・。
ここで気になってscramblerの意味を調べてみた。
この単語には「乱す」という意味があるらしい。
そして、「通信においては、データや信号を意図的に乱すことで、第三者が内容を盗聴したり解析したりするのを防ぐために使用される」のだと。
どうやらこれは、僕ら人間の感覚では捉えきれないバスとの交信が、このプラグを介して行われているようなのである。
(”something about TopWaterPlug”2005年4月15日の掲載文を加筆修正)