
寄稿集【Pencils of Basser】「今、私が好きなバスプラグ」すべての文章を公開しました。
募集を始めたときは、「ぜんぜん来なかったら友人たちに声をかけて…」などと思っていましたが、7人の方から原稿が届き、そのどれもが、大切な思い出やルアーへの愛情がこめられた特別な文章でした。
バスフィッシングの世界では、今、「読み物」がほとんどありません。
バス雑誌で目にするのは編集された「記事」で、いくつかの連載も釣りのプロたちによって書かれた、実利的な情報を伝えるもので占められています。
かつてネット上にはたくさんの個人サイトがありましたが、記事的なブログに取って代わられ、今ではそれも少なくなりました。
雑誌もブログも読むのは楽しいし、貴重な存在だと思いつつ、それだけではもの足りない気がずっとしていました。
羽鳥靜夫さんの『気が向いたらプラグ作り』や『僕たちのバスフィッシング』、Ikasas Ikuyさんの「アングリングネット」、またそこに集った釣り人たちのサイトなど。
自分の釣り歴を振り返ると、そういった方々の、等身大で個性あふれる文章から、同じ釣り人として大事なことをたくさん受け取ってきたように思うからです。
今回の寄稿文をあらためて読み返してみると。
まさに「文は人なり」、言葉えらびや言いまわし、漢字を使うかひらがなにするか、読点を打つタイミング、語尾の処理など…ちょっとした違いから独特のリズムが生まれて、書き手の姿が立ち上がってくるような気がします。
それと目の付けどころ。
そのルアーのどんなところに魅力を感じ、どう言葉にしているか。
音量は控えめですが、そこにはバサーの切実な主張のようなものが宿っているように思えます。
そういう文章が、読んでいる自分の心にふと響く瞬間がある。
もしくは、「何を言っているのかよく分からないな」と感じたことも、それはそれで心に残ったり、書き手のことが気になったりする。
私たちが好きなルアーやバスフィッシング、ブラックバスの話題だから、共感も違和感も面白がれるし、読み手のなかで完成するところも、文章ならではの愉しさのように思います。
また、同じテーマでいくつかの文章が集まると、共通点や違いが浮かび上がって、それぞれの輪郭がはっきりする…みたいなこともありました。
公開にあたっては、それを踏まえ、通して読んだときの展開なども考えて並び順を決めています。
私自身とても刺激を受けたし、いろいろな方にこの文集を楽しんでもらえたら、そしていつか、読んだ文章のことを思い出してくれたらうれしいなと想像しています。
まずは、文章を読んでくださった奇特なみなさん。
そして、得体の知れない企画に飛び込んでこられた勇気ある書き手のみなさんに、大感謝!
【Pencils of Basser】今後ともよろしくお願いします。
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