今年2回目の釣り。
夜明けが早いバスフィッシングのハイシーズン、2時にホソミが迎えにきてくれる。
今日はボート降ろしにちょっと骨が折れるところ。
2年ぶりにきたが、道中のハードさが増していた上に、なかなかの減水で水面が遠かった。
ようやく水面に浮かんだ解放感。
すでに両肩がぱんぱん。
こういう、水位が減少して岩場、ガレ場ばかりとなるリザーバーは、関西にくるまでほとんど経験したことがなかった。
むかしロットン店長に連れていってもらったあの斜面ばかりのダムの、ぜんぜん釣れそうになさ。
野池育ちの自分にはあまりにつかみどころが無く、途方に暮れた思い出がある。
今は大好きなフィールドになったが、まだよい思いをしたことがないというホソミに目の前の光景はどのように映るのだろう。
すぐに反応があるだろう…と思いきや、ない。
たまに、着水直後のプラグに、ツンツンと突つくような動き、ギル?小さい?
ホソミが新作の自作プラグを投げているのを見て、私も出発前にエニードープのフライノーズを持っていくために開けたボックスに入っていてなんとなく持ってきた自作のポッパー、ダシポッパー80を結ぶ。
竿先から垂れ下がるさまに「アドニスのウェッジポップ?」とすぐさま反応した同船者するどい。
着想はあれ。
正面から見るとやや扁平で四角ばったカップの形をしている。
重いポップ音を出したあと、ちょっと戻るような仕草を見せる。
大きな100サイズで釣ったことはあるが、これでは釣ったことはない。
岩の横ぎりぎりにキャストして、ラインを軽く叩く。
ごぼっというポップ音の直後に、「バシャ!」と水面が割れた。

初バス。小さい、うれしい。

この日はこうした子バスばかり反応して、30cm満たないサイズを2人で5匹釣った。
バグリーのBB4に似ている感じがして気になって買ったハンクルクランク100のダイブ&フロート。
岬をルーピールーパーの水面直下ただ巻き。
ホソミ所長はハイファイブのハイボールそっくりなやつを作って持ってきていた。
あの特徴的なお手々は外付けだが、横で見るかぎりアクションはそっくり。
振ると2種のラトル音が響く。
木くず溜まりのキワに投げて、くりくりして「ばこ!」で2匹も釣っていた。
ハイボール持ってくればよかった。

最後にひとつ、この日の印象的なワンキャスト。
単調な岸際が奥まっていって、ワンドというほどではないくぼみのエリア。
奥まる岸に沿うように倒木が浮かんでいる。
水面は風が少し吹いて、倒木に漣が向かっていく。
そこに2005年のヴァンガード(ラインアイが奥に入ってるタイプ)のグリーングリッターを投げて、木に沿うようにスケーティングさせてくる。
いつもより力を込めてラインを引っ張る。
しぶきが上がらないように注意しながら。
プラグの頭がぐぐぐっと水を押す感じが伝わってくる。
風に沈んで、そんな気なかったバスに、ふっと魔が差す…
ここで「ばこん!」と水面が割れたら、僕の頭も弾けていただろう。
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ここひと月ちょっと、どういうわけか気が沈みがちで、テンションの低い状況がつづいていた。
根詰めてやってきた仕事が落ちついた反動か、気づいていない別の原因があるのか、もしくは「気が沈みがち」という認識自体が誤りなのか。
よく分からないけど、ままならんもんだなー、と思った。
調子は上がってきた。
その理由も分からない。
変わった事といえば、11カ月ぶりにバスの匂いを嗅いだことくらい。