インスタを流し見していると、気になるルアーが映し出された。
McCormic Mermaidである。
いつも通り、作るルアーが決まったら手書きで図面に起こしていく。
通常は大体の大きさを決めて、あとは適当に書いては消してを繰り返して仕上げていくが、今回はパテントの画像がネットに転がっていたのでそれを元に再現していく。

フックとリグは在庫があるので問題無しとして、フロントのカラマン棒みたいなものは持っていないので日本の部品屋のパーツを注文。
数日で届く。
何と便利なことか。
余談であるが、昔カラマン棒の使い方を誤り、普通にヒートンにラインを結び、棒を垂らしていた人がいる。
曰く棒がワイパーのように動きペラに絡まりそうなラインを避けてくれると思っていたらしい。
話は戻って、製作はとくに難しいことはなく、角材を削ってカシューで色をつける。
で、出来上がり。



作る前はその形のどこが人魚なのか、と思っていたが、作ってみて納得。
まずルアー上部の盛り上がりは女性の豊かな胸を表現している。
そして下部から後方にかけてのラインはもちろん人魚の魚部分、その美しいラインを表現している。
上から見たアウトラインは人魚の下半身そのものである。
(と思って写真を撮ったが、写真からはあまり伝わらない。)
つまりマーメイドルアーは人魚の魅力をデフォルメし、上半身と下半身を一体化してシンプルなデザインに落とし込んだキュビズム的手法を用いたルアーだった。
というような考察を思い付いたが、当時の資料を見ると形状についての言及は
“countersunk line hitch and peculiar shape of the body”
とのことで頭部の穴と風変わりなボディ形状ということしか無かった。
アクションについては主にトローリングでの使用を想定しているようだが、実に多彩な文言が並ぶ。
Three seasons of sensational “catches” have proven it “a marvelous fish getter, trolling casting.” A tantalizing creation that floats, bobs, PATENTED ducks and wiggles enticingly on the surface, dives and swims with an easy, rocking, side-to-side and up-and-down motion, wiggling dartings like a frightened minnow, one to ten inches deep. or with quick, Speed of retrieving controls depth. Peculiar construction obtains a wonderfully life-like action even in shallow water. Practically weedless. lily-pads. Record catches of bass, pickerel and pike among the weed-beds and Irresistible to the “big ones.” Particularly adapted for night fishing. Get one to-day and land the prize winner.
(3シーズンにもわたるセンセーショナルな釣果が、トローリングでの「驚異的なフィッシュゲッター」っぷりを証明した。
水面では誘うように踊り、つんのめり、揺れる。たやすく潜水し、水深10インチまでのエリアで、震え、上下左右に動き、おびえた小魚のようなウィグリングダートをする(リトリーブスピードで水深のコントロールも可能)。独特の構造により、シャローで生命感溢れるアクションが得られる。これが特許を取得した魅惑の造形の産物なのだ。
ウィードレスで、リリーパッドでも問題なく使用できるし、ウィードエリアに潜むレコードクラスのバスやパイク、パーチなど「ビッグワン」にはたまらないアイテムだ。夜釣りにも最適。さあ今すぐ手に入れて、トロフィークラスの1匹を釣り上げてくれ!)
おそらくは形状はあくまでアクションを実現するためのもので、人魚の形を模したというよりアクションから人魚を連想して名前がつけられたのではないだろうか。
ちなみにリメイクした僕のモデルはカイツブリみたいなアクションだった。
最後に、このルアーを調べる中で自身のルアー作りにおいて非常に共感を得る文言があったので紹介したい。
もともとThomas McCormic 氏の発明だったこのプラグを、Shakespeareがオリジナルに忠実に量産したことについての言葉である。
“the old saying that imitation is the dearest form of flattery.”
「模倣とは、もっとも心のこもった賛辞である」
written by Hosomi
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