penned by ぽーる

3連ジョイントのサーフェイスビッグベイト、170mm・2ozクラスの存在感は、パラノイアのラインナップにおいて特異である。
発売時の説明文「ベイトフィッシュライクな生命感溢れるウォブリング」とカラーリング(コイ、カワムツ、ギンブナ、オイカワ、ニジマス)から魚を表現していると受け取れるが、僕には爬虫類のトカゲやワニに近い生き物に見える。
特異な存在感は、サイズによるものだけじゃなく、爬虫類っぽさからだと。
そう思って見ていると、他とは違う愛着が湧き、使い続けて懐いてくれると、呼べば来る気がしてくる。
その信頼は、真冬の厳しい時期に一人湖面で浮いているとき、心強さを与えてくれ、釣れない状況が釣れるかもしれない場面となり、僕の中での釣りが成立する。
リンプの持ち味は、少ない入力に感度よく反応する操作性である。
派手に広くアピールすることも、繊細に点で誘うこともでき、使い手の意に即して達者である。
そんな操作性の良さは、頭から尻尾の先まで違和感なく力が伝わることにあり、デフォルトのダブルフック仕様をスナップで繋いでこそ発揮されると思う。
それなのに、僕はトレブルフックに変えたものをナイロン直結で使うのが好みである。
きっかけはスナップが苦手だからと、ダブルフックだと針掛かりし難いと感じたからだが、力の伝わり方が不規則となり、その動きの不自然さにハマっている。
3連結を頭部・胴部・尻尾とすると、頭部から胴部、そして尻尾へとスムーズにアクションするのがベースとして、頭部から胴部へ伝わって尻尾へ行く力が、胴部から頭部へ返って尻尾は動かずに頭部がまた動いたり、胴部から頭部へ返った力とラインからの新たな力がぶつかって消えどこも動かなかったり、逆に倍増し頭部が大きく動いたり、力がまっすぐ抜けて頭部はほんの少ししか動かずに胴部と尻尾が動いたりと、ナイロン直結の力の伝え具合とトレブルフックの抵抗が生み出す不自然さ。
思い通りに動かないところに生き物感が宿っていると妄信する。
足を痛めたトカゲが溺れそうになりながら、ヨタリ・・ヨタリ・・・水面の感触を確かめるように一歩一歩をゆったりと、じーっと止まったり、ときには慌ててみたり。
ラインを通して繋がってはいるが、呼べば来てくれる間柄だからこそ一時の自由を尊重して、リンプの意思に任せることを心掛ける。
Limpを辞書で引くと「片足を引きずる、のろのろ進む、もたつくetc」とあり、マイナス意味な単語に感じる。
それを僕なりに解釈した結果が、生き物を演じているのに不自然を重視する矛盾であり、ルアー名からのイメージを膨らませ、実釣の中で積み上げた。
持ち味である操作性とは反しているのに、これも制作者の目論見の内なのか?
語呂の良さも含め、ネーミングセンスにあらためて感服する。
あくまで僕個人の解釈であり間違えた使い方をしていると思うが、そんな自由が許される懐の広さが一番の魅力かもしれない。
BLOG:Poul no talk to Pole Position