shallowtrickとは

19歳のときに@ngling netにNorth Fields Reportを寄稿しはじめてから、Something about TopWaterPlug、all about topwaterplug、udon-chaと、書いて公開することを細々とつづけてきて、およそ20年になる。

すこし前に、自分にとっての釣りの集大成といえるプロジェクトを終えたばかりで、仕事も忙しいので、こういった発信はひと区切りにするつもりだった。
はずなのだが、Rottonの店長に「出した責任がある」などと言われ、そんなー、と応じつつ、そういうものかな、と思ってしまった。

新しくはじめるこのサイトは、長い年月をかけて作っていくつもりでいる。
自分が書いたものを「本」みたいに整えてみたい。

思いつきを書いたり、何か気になって調べて書いたり、釣りに行ったことを書いたり、そうして日々書いたものをあとから編集し、サイト内に設けた、本的な空間に置き直す。
たとえば、釣りに行ったあと、ばばっと書いた釣行記を「釣り(2022年7月9日)」として公開し、それをあとから「fishing report」「2022」といった目次のなかに、別のタイトルを付けてポジショニングする、とか。
新しいプラグを手にしたときの印象を書いたものに、釣りに行ったときの使い心地を書き足し「impression」としてまとめる、とか。

目次が決まっているわけではない。
ので、今にしたがって衝動的に書くことと、体系を作ることを並行して進めていくことになる。
それらが互いに影響を与えながら、サイトは変化していくことになるだろう。
こうした進め方がかつてのホームページとは違うところになるのかも知れない。

昔から世界の全体のようなものに触れること自体が喜びで、all about~もブログなので限界があったがそういう作り方を目指していたし、多大な影響を受けた@ngling netがまさに本的な空間だった。

一方で、日本のトップウォーターの世界(だけではないと思うが少なくとも)は、ここ15年ほど、コンテンツ作りと消費に忙しく追われているように思う。
SNSにコミュニケーションの場が覆われ、リアルタイムが肥大化し、今はすぐに過去となり流れ去っていく。
そんな状況のなか、流行らないにしても昔ながらの体系作りみたいなことをやっぱやってみたい、と思う。
今ならそういうことができそうだという感覚もある。

あと、自分でない釣り人が書いたものを載せたい、残したいとも思う。
同じ時間を過ごした友人に、同じものが好きな釣り人に、私が好きではないものが大好きな誰かに、そのことを書いてもらって保存できたらうれしい。
昔の人たちが書き残したことも、あらためて記録したい。

本といっても出版するわけではなく、トップウォーターバスフィッシングを主軸にした、本的なひとつの体系をこのサイト内に形作るということで、10年くらいかけてなんとなく輪郭が見えてくればいいかな、というくらいの気持ちでいる。
この歳になると、10年、20年なんてあっという間だということが分かる。
そして20年後には60歳になっているのである。
おそらく仕事、また家のことに忙殺される20年になるだろうが、伏線的にこのごく個人的なプロジェクトを進めながら日々を過ごしてみたい。

なお、shallowtrick(シャロウトリック)は、むかしむかし「エサチャウデ」というホームページを運営されていた猿さんという方が手作りしていたプラグの屋号で、正確には「shallowtrick surfacebait」という名前だったと思う。
「浅はかなくわだて」という意味らしい。

それを無許可で使っている。

【追記】
2022年の秋に猿さんと十数年ぶりの再会を果たした。
許可をいただいて、shallowtrickは猿さん公認の屋号になった。

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