2時にめざましが鳴り、かすかな意識で「なんで?」と思ったけど、なんでじゃなかった。
釣りに行くんだった。
3時間前に出張から帰ってきたところ。
新幹線でもビールを飲んだので、身体が重い。
ごまかしのためにマスクをつけて所長の車に乗る。
昨日からの経緯を話すと「だから酒臭いんですね」と言われた。
釣り場の近くのコンビニで、「ガツンと、みかん」アイスを買って、これが吉とでるか凶と出るか、と思いながら食べる。
橋の上からは、青と緑の間のような色をした湖面が見えた。
よい感じ。
今日は申し出てめずらしく操船。
最初のめぼしいポイントまでボートで向かい、ちょっと前から肩慣らしに釣りはじめる。
比較的水深が浅い一帯、岸際に細い木が倒れ込んでいる。
目に入った木の枝葉のポケット、あまり厳しくないところ。
リラックスしたキャストでドロップマウスがぽとりと落ちる。
着水してちょっと待って、ぽわん、ぽわんと2回首を振らせたところで、バシャ!と水面が割れた。
2023年の初バス。
ここまで長かったが今日はあっさり釣れた。
今年もバスが釣れてうれしい。

ダムサイトのブイ周り、一番あやしそうなところはミスキャスト。
ホソミがその先を時間をかけて攻めていたので、振り返ってもう一度そのあやしそうなところにキャストする。
投げてるのはクリークチャブのインジャードミノーのウッドの小さいやつ。
プラグの上下がフラットにカットされている、S.O.S(Swim on Side)タイプのダブルスイッシャー。
ヘドンのS.O.Sとはどっちが早いのだったか。
同じようなボディで3枚ペラのついたフルーガーのスクープを先に持っていて、お洒落ですてきなんだけど(フルーガーでなにかと洒落っ気を出してくるメーカーだと思う)、このクリークチャブらしい素朴な味わいはやっぱりバスプラグらしい。
ややあまいところに落ちて、短くやさしくジャーク。
ブイの向こうで鯉らしき魚が跳ねたのでそっちに気をとられていたら、視界の端で大きな波紋がたっていた。
ロッドをあおった手に伝わるグンという重み。
よさそうなサイズだ。

ダブルスイッシャーでジャークしてしばらくポーズさせて釣ったのはじめてかも。
「めずらしいな」と言ったら、「インジャードミノー(傷ついた小魚)だからじゃないですか」と指摘されてはっとした。
(しかもCREEK BASS_NTを着ていた!)

オーバーハングの先の小さな流れ込みにチャガースプークを投げ込む所長。
かぽっ、かぽっと引いてきてプラグがハングから出てくるところで後ろから追尾する茶色い影が見える。
もう一回、かぽっ、とやると、ガバッ!
「ドラグゆるゆる!」の悲鳴にもかかわらず、無事にキャッチしたバスは茶色い背中が印象的。
今日一番の魚だった。
このあとも、世界をひっくり返すようなニゴイのバイトに不覚にも震えたり、ポッパー対決をチャグアイク(小さい方)で制したり、所長がカシューでリペイントしたヒポマウスでキャッチしたりと、暑さでギブアップした昼間まで、バスフィッシングを堪能した。
バスに遊んでもらう。
そんな感覚があったな…と思い出す。
