マイ・ハトリーズ・カタログ

penned by 八十八田

クロコダイルF
初めて実物に触れたハトリーズ。減水した野池の枯れた流れ込みの茂みに引っ掛かっていたのを友人が見つけた。高価なルアーであることは知っており、3,000円近くもするルアーはどんな動きなのか気になり使わせてもらったが、真っすぐこちらへ向かってくるだけで釣れそうに思わず、すぐにまた元のワームに結びなおした。

ミスティーF
釣り前夜、汽車に乗り24時間営業の釣具屋に行き購入。翌日、牛小屋の裏と呼んでいたポイントで目の前に沈んでいた竹に引っかかり、外そうとしてロッドをしゃくっていたらバット付近から折れ、ブラックバス釣りはもう辞めようと思った。

ハスティー2
台風で休校になり、土砂降りのなか野池に行き、用水路への吐き出し口へ流し込みリトリーブしてくると、40アップが面白いように釣れた。翌日登校すると、なぜか釣りに行っていたことが先生にバレていて怒られた。

キャスパー
梅雨時期にバイト先の先輩から車とジョンボート一式を借り、リザーバーに行き、昼過ぎから夕暮れまで止むことのないバイトの連発を味わった。帰路、車のヘッドライトがハイビームしか付かず、対向車にパッシングされまくった。

ブッシュペッカー(復刻版)
ライブのために訪れた隣県のライブハウス横にあった釣具屋で2色購入。当時、ジョンボートは持っていたが、車を持っていなかった僕は、彼女の車にボートをカートップして釣りに出かけていた。ある日、ブラックバスが釣れることがごく一部の人にしか知られていないダム湖へ向かう。中流部にある島状の大岩のポイントで彼女がそのルアーで60アップ近いバスをかけた。その年の冬、彼女に別れを告げられた。


その後ハトリーズで数々釣っているにもかかわらず。
思い出すのは、古くは中学生の頃の話で、新しくても20年以上たっている。
2026年は新たな思い出ができるよう、ハトリーズ達を大勢釣りへ連れて行こうと思う。

最後に

羽鳥静夫
雑誌Basserに連載されていたエッセーで初めて知った。トーナメント系の記事が主流の中、趣のある内容でノスタルジーな話も多く、中学生の僕には感傷的な大人な感じがした。2007年7月22日のイベントで初めてお目にかかる。しかも川のほとりに座って、一対一のトークタイムがあった。若気の至りで、羽鳥さんの記憶に少しでも残ろうとあえてバス釣り話をあまりせず、羽鳥さんの趣味であったロッククライミングの話をした。今ならきちんバスフィッシングについて聞きたいのに、その想いが決して叶わないことが哀しい。


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ハトリーズとぼく【Pencils of Basser】

第2回目の寄稿集のテーマは「ハトリーズ」です。
デビューから40年以上を経て、ぼくたちが受け取ったものとは。

はじめに

Essay

▶ エイビルスピリットウーマン | スペンサー☆フジモト

▶ 映像のなかの | よしお

▶ 教わったたしなみ | ぽーる

▶ マイ・ハトリーズ・カタログ | 八十八田


届いた原稿を順次公開していきます。

教わったたしなみ

penned by ぽーる

羽鳥さんを知ったのは、成人になってから。
大学の釣りサークルで出会った友人に、本やVHSを借りて、すぐ好きになった。

ゆったりとした空気が流れ、自然の中で遊ぶ美しさ、飾らない姿勢で真摯に向き合うスタイルが刺激的だった。
何を優先すべきか、フィールド、ルアー、ブラックバス、何気ない会話を楽しめる友人との時間・・・etc、輝いて見えた。

そして、「バスがしかくいよ」の言葉がとてもささった。
カタチでバスの個性を表現するなんて!
一匹の魚に対して、そこまで愛でていなかったかも。
尊敬とともに、ちょっと悔しかった。
それから、一匹一匹への言葉を探すことが加わり、釣りの満足度が深まった気がする。

羽鳥さんのことをもっと早く知っていたら、と振り返った時、羽鳥さんのルアーとは知らずに出会っていた。
高校の時に量販店でカラーと形が気になって買ったインナーハンドW.B.(プラスチック)、操作感が心地よくて切り札的クランクだったハスティ、母がフリーマーケットで買ってきてくれたコッキービートル。
ハトリーズのロゴを見ていたのに、スミスの一ブランドで止まっていた。
なんと恥ずかしい。
コッキービートルはスミスかどうかも多分で、名前も分かっていなかった。

ハトリーズのコッキービートル

そんなコッキービートルは今も手元にある。
羽鳥さんを知ってから手に入れたクライングフロッグ等に囲まれても、変わらず大事に思う。
ルアー好きの息子のために手が込んでそうと選んで買ってきてくれたこともあるが(他のルアーとセットで数百円だったかな)、あの瞬間を一緒に過ごしたから。

解説の付いたルアーが中心だったころ、使い方を分からずに、ダブルスイッシャーはジャークとポーズ?くらいの知識で、ジョォーッ!ジョォーッ!
派手かな?と力加減を迷っていると、ガボッ!!

確かバラシたが、それまでトップだとポッパーとペンシルでしか釣ったことなかった僕は、とても驚き、パッケージや雑誌の詳細な解説に頼らなくてもルアーを使えたことで、釣りの創造力が広がった気がする。

ハトリーズは、僕のバスフィッシングの中心ではなかったかもしれない。
でも絶対に必要なピースであり、知らずのうちに楽しみ方の奥行きを今も教えてくれている。

note: Poul no talk to Pole Position

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