犬歩きをめぐる冒険【後編】

reported by dashiyo

【前編】からのつづき

3.ザラⅢ

で、ウォーキング・ドッグ・アクション。
ペンシルベイトを表現する時にたびたび使われる言葉だが、ペンシルベイトはその直訳どおり、犬が歩くように、ただ首をふり、よたよたふるまっていればいい、というものではないのだ。かんじんなのは意訳するということの方で、じつは複雑な動きをしているのだが、その複雑さをどれだけ自然に見せられるかなのである。

羽鳥しづを『気が向いたらプラグ作り』(アテネ書房、1983年)より


この文章は、ザラⅢ、またインナーハンドW.B.を完成させた後に書かれたもの。
「犬が歩くって、どういうことだろうね」からスタートしたペンシルベイト作りが成果を結び、「意訳」が大事だと表現してみせる羽鳥さんの言葉は自信に満ちている。

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犬歩きをめぐる冒険【前編】

reported by dashiyo

はじめに

作ったそもそものきっかけは、友達が見せてくれたアメリカのカタログからで、そこにヘドン社の例のペンシルベイトが、載っていたからである。
 「このプラグはなんなの……」
 と、聞くと。
 「スティックといってね……」
 と、たしかそんなふうにいった。
 そして、さらに、どうやって使うのかと聞くと。彼はそれらしき動きを手ぶりで示しながら、ウォーキング・ザ・ドッグをさせるのだと答えてから、
 「でも、犬が歩くって、どういうことなんだろうね」
 と、つけ足した。
 今となっては、そんな得体の知れないプラグなどにどうして魅かれたのか、まったくもって見当がつかないが、もしかしたら
 「……って、どういうことなんだろうね」
 そのひとことによって、持ち前の好奇心がつい浮かれだしたのかもしれない。

羽鳥静夫「The Story about “PLUG” vol.3」『Basser』No.4(つり人社、1987年)より


羽鳥さんは、ペンシルベイトを作りはじめた最初のきっかけを、このように書き残している。
性能やデザインではなく、言葉に誘われたあたりがなんともユニークだと思う。
こうしてザラⅢ、さらにインナーハンドW.B.という、ハトリーズを代表するペンシルベイトが誕生することになった。

さて、これから僕は、この2つのペンシルベイトの誕生の背景を辿りながら、それらの意義や魅力について考えていきたいと思っている。

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ハンサムボーイ

penned by カズー

バスを釣った初めてのハトリーズはブッシュペッカー。
1989年、とあるダム湖の岩盤沿いをゆっくり丁寧にスライドさせていた時の出来事。
サイズは関係なく、とにかく嬉しい一匹。

のびやかで美しい動きに心を奪われたのはインナーハンドW.B.。
軽い入力で驚くほど長いスライドができ、操作する楽しさに酔いしれた。

ほかにもいろんなタイプを楽しんできたけれど、とくに出番が多かったのは、名だたるウッドの名作を差し置いてハンサムボーイ。
ハトリーズ初のプラスチックバージョン。
四兄弟のペンシルタイプ。

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