
「持つとこ付いてるからな~」
バスという魚の偉さを語るとき、ちょっとふざけながらそう言うのだけど
心の中で強くそう思ってる。
走ったり、ジャンプしたりを繰り返し
なんとか釣り針から逃れようとするバスをどうにかなだめすかして手前まで寄せてくる。
もう手が届くところまで来ていても
こっちが手間取っている間にモジモジモジして
一気にジャンプ一発サヨウナラ~、を何度も体験してるから
油断することは出来ない。
バスの、ふっと口を開くタイミングに狙いを定めて
親指と人差し指でその下アゴをむんずと掴む。
腕にバスの重みがずしんと伝わる。
釣った!という実感がその一瞬に凝縮されてる。
バスの方も、釣られた~と思うんだろうか
急にシュンとしておとなしくなる。
一度掴んでしまえば
写真撮るなり、サイズ測るなりして
最後リリースで締めくくる、その一連の行程が
スムーズにこなせる。気分がいい。
もちろんほかの釣りも楽しいし、好きでやるけれど
バス釣りならではの心地よさ、気持ちよさがあって
それにはあの「持つとこ」の存在も貢献してると思う。
遊び相手にもってこいだ。
バスにしたら迷惑な話だけど。
抜き上げたり、ネットですくう方法もあるけれど
僕はハンドランディングでバス釣りを締めくくりたい。
逃すリスクが大きいことは分かってる。
けど、あの、身体で味わうバスの感触と重み
そして釣り上げた実感。
僕たちなんか特にバスに餓えているから
サイズと関係なしに「やった~!」と声が出てしまう。
「ブラックバスが釣りたくて2006初夏」
(@ngling net『NorthFieldsReport』2006年6月17日)より抜粋
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