ヒヨコブランド・ドリラータイフーン

penned by まさぽん

今というか、ずっと好きなバスプラグ。
私にトップウォーターの楽しさを教えてくれたバスプラグ。

ヒヨコブランドのドリラータイフーン。

ワームメインでのバスフィッシングを楽しんでいたころ、少しマニアックな商品が並ぶ釣具店・ワイルドフィッシュの店員さんから勧められて出会う。

店員さん曰く「トップオンリー以外の人も使っていて、めっちゃ釣れるよ」。

ホンマかいな、と思いながら値段を見ると約7000円。
ひと袋数百円のワームばかり買っていた自分としては、清水の舞台から飛び降り購入した。

それ以降、店員さんの言う通り…
投げて、ただ巻きでバッコンバッコン。
ロッドワークは必要なし、ただスローに巻くだけでズッコンバッコン。
水面に炸裂するバイトに魅了されていった。

キャスト切れしたときは、ボートを自宅に取りに帰り河川を大捜索。
一時、バス釣りを辞めたあいだも手放さず、塗装がボロボロになっても100均スプレーの白で再塗装。

出会いから十数年が経ち、出番は減ったが、真っ白になった老体にムチをうち、新たな出会いとの架け橋となってもらう。

ヒヨコブランドのドリラ―タイフーン



Instagram:@masaponn55

パラノイア・リンプ170

penned by ぽーる

パラノイアのリンプ170

3連ジョイントのサーフェイスビッグベイト、170mm・2ozクラスの存在感は、パラノイアのラインナップにおいて特異である。

発売時の説明文「ベイトフィッシュライクな生命感溢れるウォブリング」とカラーリング(コイ、カワムツ、ギンブナ、オイカワ、ニジマス)から魚を表現していると受け取れるが、僕には爬虫類のトカゲやワニに近い生き物に見える。
特異な存在感は、サイズによるものだけじゃなく、爬虫類っぽさからだと。

そう思って見ていると、他とは違う愛着が湧き、使い続けて懐いてくれると、呼べば来る気がしてくる。
その信頼は、真冬の厳しい時期に一人湖面で浮いているとき、心強さを与えてくれ、釣れない状況が釣れるかもしれない場面となり、僕の中での釣りが成立する。

リンプの持ち味は、少ない入力に感度よく反応する操作性である。
派手に広くアピールすることも、繊細に点で誘うこともでき、使い手の意に即して達者である。
そんな操作性の良さは、頭から尻尾の先まで違和感なく力が伝わることにあり、デフォルトのダブルフック仕様をスナップで繋いでこそ発揮されると思う。

それなのに、僕はトレブルフックに変えたものをナイロン直結で使うのが好みである。
きっかけはスナップが苦手だからと、ダブルフックだと針掛かりし難いと感じたからだが、力の伝わり方が不規則となり、その動きの不自然さにハマっている。

3連結を頭部・胴部・尻尾とすると、頭部から胴部、そして尻尾へとスムーズにアクションするのがベースとして、頭部から胴部へ伝わって尻尾へ行く力が、胴部から頭部へ返って尻尾は動かずに頭部がまた動いたり、胴部から頭部へ返った力とラインからの新たな力がぶつかって消えどこも動かなかったり、逆に倍増し頭部が大きく動いたり、力がまっすぐ抜けて頭部はほんの少ししか動かずに胴部と尻尾が動いたりと、ナイロン直結の力の伝え具合とトレブルフックの抵抗が生み出す不自然さ。
思い通りに動かないところに生き物感が宿っていると妄信する。

足を痛めたトカゲが溺れそうになりながら、ヨタリ・・ヨタリ・・・水面の感触を確かめるように一歩一歩をゆったりと、じーっと止まったり、ときには慌ててみたり。
ラインを通して繋がってはいるが、呼べば来てくれる間柄だからこそ一時の自由を尊重して、リンプの意思に任せることを心掛ける。

Limpを辞書で引くと「片足を引きずる、のろのろ進む、もたつくetc」とあり、マイナス意味な単語に感じる。
それを僕なりに解釈した結果が、生き物を演じているのに不自然を重視する矛盾であり、ルアー名からのイメージを膨らませ、実釣の中で積み上げた。
持ち味である操作性とは反しているのに、これも制作者の目論見の内なのか?
語呂の良さも含め、ネーミングセンスにあらためて感服する。

あくまで僕個人の解釈であり間違えた使い方をしていると思うが、そんな自由が許される懐の広さが一番の魅力かもしれない。


BLOG:Poul no talk to Pole Position

メガバス・POPX

penned by ふくちょー

メガバスのPOPX

初めてバスを釣ったハードプラグ

私が人生で初めてハードプラグでオオクチバスを釣ったのは、2011年8月のこと。

当時の私は大学1年生だった。
場所は北関東の山間部にあるダム湖である。
現在は見る影もないが、この当時はまだ「関東地方に残された楽園」と評されるほど平易な釣り場だった。

前の晩にバス釣りの入門書を一読し、エントリーモデルのスピニングタックルを手に夜明けの湖畔に臨んだ。
何もわからない私は、ただ沖にポッパーをキャストし、波紋が消えては1回ポッピングして、また波紋が消えるのを待つというアクションを繰り返した。
それで扇状に探ったら10mばかり横に移動という、非常に気の長い釣りである。
それでも、8時前に推定40cm強の良型を1尾だけ釣り上げた。

当時の痩せ型だった私が、か細い腕に立派な体躯のバスを不恰好に持ち、骨ばった顔に満面の笑顔を浮かべる写真が今も実家に飾ってある。
写真を撮った老父曰く、被写体の会心の笑みをカメラに収められたことが自慢らしい。

その時のポッパーこそ、メガバス社のPOPXであった。

11月下旬の晴れた夕刻

その時の体験から今日まで長い年月が過ぎたが、今でも一番好きなプラグはPOPXである。

腕の拙い私にとっては、たとえ小バスであっても釣り上げた一尾一尾が忘れがたい思い出なのだが、特に思い入れ深い一尾がいる。
それは本格的にバス釣りを始めて2年目、11月下旬の晴れた夕刻のことだった。

場所は先述のダム湖。
増水が進んで足場も満足にない状態でのオカッパリである。
私は老父と共に本流筋の最上流部にエントリーしていた。
表層水温は10度ほどで、水の透明度が非常に高かった。

昼過ぎからはじめたものの当たりはなく、陽も傾いてきたので、そろそろ納竿しようという話になった。

私は復路で要所に絞ってPOPXを投げることにした。
「この水の透明度で魚を騙せる可能性があるならば水面を使うルアーの他ない」と考えたためである。

ヒットしたのは副ダムから川筋を下って2つ目の曲がり角に差し掛かったところだった。
「川筋」といっても、ルアーをフルキャストせずとも容易に対岸まで届く川幅である。

このスポットには、川筋の中心部に2つの大きな沈み岩がある。
私は2つの沈み岩の内、下流側の岩へアップクロスでキャストし、岩の頂点より1m足らず下流の線にPOPXを通した。

着水後、最初にこのルアーで出せる最大の音を一度奏でてバスの捕食音を模倣した。
続けて、小魚が湖面を跳ねまわるようなイメージで、一度目よりも弱い音を連続で奏でると、1.5秒くらいポーズする。
冷水で動きにくいだろう状態のバスに、捕食行動の決意を固めさせるためのやや長めの間だった。

小ポップとポーズを3度繰り返してPOPXが足元まで辿り着き、ピックアップ前に最後の間を与えた時だった。
黒い影が上流から走り寄り、ルアーと砂地の湖底の間20cmの空間に潜り込むと、間を開けずにPOPXを引っ手繰った。

間髪開けずに竿を上げると、その先に体長30cm弱のオオクチバスが付いていた。

「魚を騙す絵図」

長さも太さも、大した型ではない。
しかし、私にとってはキャストからバイトまでの一連のプレゼンテーションにおいて、具体的な「魚を騙す絵図」を脳裏に描き、その通りに釣り上げた初めての一尾であった。
そして、着水からヒットまでの経緯を目視でき、当時の私の技術と経験値でも期待通りの動きを出すことができるまで使い込んだこのルアーだからこそ、出せた一尾だったと思っている。

私に一つのルアーを使い込むことの大切さを教えてくれたのも、POPXだった。



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